各国で削減が叫ばれるプラごみですが、なぜこのようなことになっているのでしょうか。
プラスチックごみは海洋にも多く存在していて、漂流しているプラスチックごみは海洋に約450年残るといわれています。
海洋ゴミについて詳しくはこちらに書いてあります。


このようなプラスチックごみの削減に対して、日本の対策は正しいのでしょうか?
そして、各国はどんな取り組みをしているのでしょうか?
まずは、背景となったバーゼル条約について書いていきます。
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プラごみ削減の背景となっているバーゼル条約
バーゼル条約は、89年に採択されて以来、2020年に31周年を迎えました。
締結の流れとしては、70年代に先進国から途上国への有害廃棄物の輸出が増加しました。
有害廃棄物を処理したい先進国と、外貨の獲得が重要な課題となっていた途上国の利害が一致したことから、有害廃棄物の輸出が増えてしまったのです。
その結果、責任の所在が不明確な環境汚染の事例が途上国で頻発し、大きな社会問題へと発展しました。
そこで、有害廃棄物の処理について地球規模での取り組みむ必要性があるということが国連で議論され、バーゼル条約が締結されました。
バーゼル条約は、先進国から途上国への有害廃棄物の輸出の際に、その途上国に関係する国にまで許可をもらうことを求めるものです。
マイクロプラスチックの問題が顕在化してさらに加速
バーゼル条約が締結されてからも、対策というのはそれなりに行われてきましたが、その対策の多くはプラスチックごみを直接減らすことを目的としたものではありませんでした。
例えば、海洋生物の住処を守るために森林を整備したりなどの対策です。
しかし今日では、プラスチックごみの削減が叫ばれており、このようになった背景に、マイクロプラスチックの問題があります。
マイクロプラスチックは5mm以下のプラスチックごみと定義されており、魚類などが食べてしまうことが問題視されています。
なぜなら、そのマイクロプラスチックを食べた魚類を口にするのは我々、人間だからです。
このような形で、我々も有害な物質を口にしているのですから、もはや他人ごとではありません。
そんな背景から削減が叫ばれるようになったのですが、実際に海外諸国ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。
特に、企業の取り組みなどについて紹介していきます。
プラごみ削減に向けた中国企業の取り組み 小黄狗
ごみはもはやごみではなく、リサイクルすることができる資源です。
資源なので、換金することが可能なのです。
小黄拘は、ごみを捨てるごとにそのサイズによってリサイクル代の一部を捨てた人に還元しています。
ごみを捨てた人にはアリペイなどを通して還元される仕組みで、お金に困っている人等がゴミ拾いをすることでお金を稼ぐことができるようになったのです。
プラごみを直接的に減らすのではなく、ポイ捨てを直接減らすことによって、海洋に流れ込むごみを間接的に減らすという手法です。
しかし、企業が取り組むとなれば、利益を生む構造でなくてはならず、そういった意味では人口の多い中国でしか成り立たないビジネス(薄利超多売)なのかもしれません。
プラごみ削減に向けたアメリカ企業の取り組み テラサイクル社
テラサイクル社では、通常リサイクルできないと判断されるようなゴミをリサイクルするという革新的な技術があります。
この技術によって、海岸などに落ちているゴミを集めて、新たに商品等にリサイクルしその商品を販売しています。
企業等から排出されたゴミの回収にも積極的であり、テラサイクル社の技術を使うことによって多くのゴミが生まれ変わって新たに収益を生んでいます。
また、企業の取り組みとして民間のNPO法人等と協力して、海岸でみんなでゴミ拾いしたりなどもしています。
プラごみ削減に向けたドイツ企業の取り組み dm
デュッセルドルフに本社を構えるドラッグストアのdm。
dmで購入したエコバッグは、無料で新しいものに交換してもらうことができます。
プラスチック削減のために日本でもビニール袋が有料化されましたが、ドイツでもこういった取り組みを国民一人一人が意識して生活しており、とても環境意識が高いです。
そうした結果、マイバッグを所持する人も多いわけですが、ほとんどのマイバッグは衛生面の関係から長く使用されるということはあまりありません。
それじゃあ結局エコにならないじゃないか!
そこに目を付けたdmは、替えたいエコバッグをdmの店舗に持っていくと、無料で新品のエコバッグと交換してもらえます。
大体のものって捨てずにリサイクルできるんだなあと感じます。
プラごみ削減に関する日本の取り組みについて
皆さんご存じの通り、日本ではビニール袋が有料化されました。
ただ、そもそもビニール袋はリサイクルできないようなプラスチックごみの最後の活用方法として生き残ったものであり、もともと環境にとって悪いものではないのです。
ビニール袋は持ち帰られた後も、ゴミ袋として活用されるため、人々がビニール袋というゴミ袋を持たないことになると、買った商品を帰りながら食べて、そのままポイ捨てされる可能性もあります。
それに、まず削減すべきビニール袋はこれじゃないと思うのです。
みなさんも使っているゴミの分別のための有料ビニール袋をまず削減すべきなのではないでしょうか。
まず有料なのが意味が分かりませんし、ゴミを入れたビニール袋を分別するためのビニール袋に入れるため、ビニール袋にビニール袋を入れるという無駄な構造があります。
それに、ごみによって回収日(曜日)を決めているから、わざわざ色分けして視認性を高めずとも、不便ではありません。
それに、海洋ゴミの問題に関して思うことがあります。
プラスチックを0にできたとして、他の素材のゴミなら海に流れても良いのでしょうか。
プラスチックを削減する前に、ポイ捨てを規制しないとまた新たな素材での問題が顕在化するのではないかと考えています。
ただ、こういった海洋ゴミに対する意識が高まってきたという点は評価すべき進歩ではあります。
よければ、こちらの環境配慮型の製品についての記事もみてください。


日本企業の取り組みについて書いています。
みなさんでこのような環境問題についてしっかり考えていきましょう。