みなさんは環境問題や社会問題について解決策などを考えたことがありますか?
企業がCSRと表して様々な活動に励んでいますが、今回はそんなCSRとは違う新しい概念である共通価値の創造(CSV)について記事にしました。
共通価値の創造という新しい概念は、社会にどんな影響を与えるのでしょうか?
共通価値の創造(CSV経営)とは?
共通価値の創造とは、CSV(Creating Shared Value)を日本語に訳した概念です。
共通価値の創造は、アメリカのハーバード大学経営大学院教授のマイケルポーター氏によって提唱されました。
マイケルポーター氏は経営学界の重鎮のような存在で、彼の著書には「企業の競争戦略」があります。
【CSRとCSV】
間違えやすいから注意すべし!CSR
→Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任CSV
→Creating Shared Value=共通価値の創造後者の方が、
社会とともに「いいものを共創していこう」という価値観で、近年注目されています!#ポーター#CSV#CSR— hirakawa toshiaki (@syukatsutheory) November 12, 2019
具体的には、バリュー・チェーンやファイブフォース分析、差別化戦略、コスト・リーダーシップ戦略などの超有名な概念を提唱した人物です。
彼の提唱した共通価値の創造とは、社会価値と経済価値の両立を目指すことです。
彼はTED Talkで登壇した際、
「社会問題の解決にNPOや慈善団体が取り組んできたが、スケールの小ささが原因で我々はいまだ勝利に向かっていない。
CSVとは社会問題の解決を通じて利益を獲得するという経営戦略であって、CSRとは似て非なる概念である。
CSVは資本主義のあるべき究極的な姿であって、製品や市場シェアの些細な違いを競争するものではない。」
と話しています。
彼の惹きつける熱狂的なスピーチはYouTubeで見ることができます。
つまるところ、企業の活動が社会環境をよくする(環境にとってプラスである) ことが必要であるということです。
例えば、企業が従業員の生活に気を遣えば、従業員が健康になり日々のパフォーマンスが向上し、結果的に会社の利益になるといったようなことです。
企業が余剰利益を使って社会貢献活動をするCSRとは全く異なる概念であり、社会問題の解決から利益を得ているか?という点がCSVであるかどうかの分岐点になります。
社会価値と経済価値の両立とはそういうものなのです。
現在の企業への疑問。CSV経営の使い方を間違えてない?
現在の企業ではイメージ向上のために、ポーター氏の発したCSV(共通価値の創造)を安易に使っているのではないか?と思うことが多々あります。
例えば、「メカニカルリサイクル」という手法を用いることで、ペットボトルを再利用できる仕組みを確立し、石油資源や二酸化炭素の使用量の削減をすることをCSVと位置付けて謳っている面があります。
これももちろん素晴らしい取り組みなのですが、マイナスをゼロにする取り組みであるような気がしてなりません。
本来CSVとは、例えばペットボトルを使用するごとに石油資源を増やすといったような、プラスマイナスで見てプラスであるような事業・製品を創造することなのです。
もはやマイナスをゼロに持っていくだけでは、社会価値(プラス)を創造できていません。
経済価値(企業の利益)もゼロならばまだ正当なのかもしれませんが、当然そうではなく、経済価値(企業の利益)はプラスマイナスで見てプラスなのです。
共通価値の創造とは、社会価値と経済価値を両立させることなのであり、社会価値と経済価値の双方をプラスに持っていけるような、そういう事業が真のCSV経営であると知覚しています。
石油資源の消費をゼロにするのと、石油資源を増やすのとではわけが違います(そもそも石油資源を増やすことは難しいですが)。
真のCSV経営を行っている企業の事例
先に述べたような視点から、社会価値と経済価値の双方をプラスにしている真のCSV経営を行っている企業を紹介します。
CSRとはもはや古い概念になってしまったのです。
ボーダレス・ジャパン
こちらの革製品は、バングラデシュの革職人によって手作りで作られています。
バングラデシュで貧困層の雇用を促進するとともに、バングラデシュの人々の安定的な収入を確立しています。
また、ボーダレス・ジャパンでは、ソーシャルビジネスしかやらない会社として、ソーシャルビジネスの立ち上げ支援も行っています。
資本金1,500万円を給付して、社会問題を解決したい!という強い願いを持った若者たちに社会起業家として必要な知識やノウハウを提供しています。
そうすることによってできたボーダレス・グループでは、真のCSV経営を行っている企業が毎年どんどん増えています。
他のCSV経営の事例が気になる方は是非チェックしてみてください。
ボーダレスジャパン公式HP


また、他の企業については、環境配慮型製品の一覧というこちらの記事でまとめています。


こちらの記事でも、真のCSV経営を行っている企業として海外の企業等の事例を紹介しています。
これらの企業の製品を買うというだけで、あなたが環境問題の解決に取り組むことができるのです。
是非一度チェックしてみてください。
また、こちらの記事では、教育問題の解決に励むEdTechスタートアップ企業の一覧をまとめています。
教育問題も当然社会問題ですので、こちらで紹介している企業も真のCSV経営を行っている企業です。


これからもCSV経営を行う企業の動向は要チェックです。
あくまで経営戦略なので、これらの企業の業績が伸びていくことも予想されています。
株式投資等を行う方は目を光らせておいた方が良いかもしれません。